子育て家庭の防災グッズ|本当に必要な備えを静かに整理する
こんなことで悩んでいませんか。
防災グッズを用意したほうがいいとは思うけれど、何から揃えればいいのか分からない。
子どもがいるからこそ気になるけれど、考え始めると不安ばかりが膨らんでしまう。
私自身、子育てをしながら住まいと向き合う中で、防災について何度も立ち止まりました。
完璧に備えようとするほど、気持ちが重くなることもあります。
この文章では、「全部揃えなければいけない」という考えから少し距離を置きながら、
子育て家庭にとっての防災グッズをどう考えればいいか、その整理の仕方をお伝えします。
読み終えたあと、少しだけ気持ちが落ち着く。そんな時間になればうれしいです。
子育て家庭の防災グッズは「特別なもの」じゃなくていい
防災グッズというと、専用リュックや非常食のセットを思い浮かべる方も多いかもしれません。
けれど、子育て中の家庭では「いかにも防災用」というものより、日常の延長にあるもののほうが、実際には役に立つと感じる場面が多くあります。
私自身、子どもが小さい頃は、防災用品をきちんと揃えなければいけないと思うほど、気持ちが重くなっていました。
ですが、実際に見直してみると、すでに家の中には使えるものがたくさんありました。
たとえば、普段から使っているおむつやウェットティッシュ、子どもが飲み慣れている飲み物。
それらを「防災用に新しく買う」のではなく、「少し多めに置いておく」と意識を変えただけで、不思議と安心感が生まれました。
特別な道具がないと備えにならないわけではありません。
防災グッズは、非日常のための特別な装備ではなく、今の暮らしをそっと支える予備だと考えてみてください。
そう思えるようになると、「まだ足りない」「もっと揃えなきゃ」という焦りが少しずつ薄れていきました。
まずは、今の家に何があるかを静かに見渡してみる。
それだけでも、子育て家庭にとっては立派な防災の一歩だと思います。
最低限あって助かったものから考える
実際に振り返ってみると、「これがあって本当に助かった」と感じたものは、意外なほどシンプルでした。
高価な防災用品や特別なセットよりも、普段の生活で当たり前に使っているものが、心と体の負担を軽くしてくれたと感じています。
子どもに関するもの
まず真っ先に思い浮かぶのは、子どもに関するものです。
・おむつやおしりふき
・着替え一式
・子どもが普段飲み慣れている飲み物
・小さなお菓子や栄養補助食品
子どもは、環境が変わるだけでも大きなストレスを感じます。
そんなとき、見慣れたパッケージや、いつもと同じ味の飲み物があるだけで、表情が少し和らぐ場面がありました。
特別な非常食よりも、「いつものもの」がそばにある安心感のほうが、子どもにとっては大きいのだと思います。
無理に非常用として切り分けず、日常使いの中で少し多めに持っておく。
それだけで、備えとしては十分役割を果たしてくれました。
大人に関するもの
一方で、大人が「助かった」と感じたものも、やはり基本的なものばかりです。
・モバイルバッテリー
・懐中電灯
・常備薬
情報を確認したり、家族や知人と連絡を取ったりするために、スマートフォンは欠かせません。
充電手段があるだけで、状況を把握できる安心感が大きく変わります。
また、暗い時間帯に手元を照らせる明かりがあること、
いつも飲んでいる薬を切らさずにいられること。
こうした小さな備えが、気持ちの余裕につながっていました。
家族全員分を完璧に揃えなくても、「今日はこれだけ確認してみる」という視点で十分です。
全部を一度に整えようとすると、どうしても負担が大きくなります。
「これは今の我が家に必要かな」と考える時間そのものが、すでに防災への大切な一歩です。
少しずつ、できるところからで大丈夫だと、私は感じています。
宅建士として見ると「住まい」によって備えは変わる
宅地建物取引士として日々住まいを見ていると、防災は「グッズを揃える話」だけでは終わらないと感じます。
同じ家族構成でも、住んでいる家の形や環境によって、考えておきたい備えは自然と変わってきます。
まず意識したいのは、集合住宅か戸建てかという違いです。
集合住宅の場合、エレベーターが止まったときの動線を想像してみると、見えてくるものがあります。
小さな子どもを抱えて階段を使う場面はあるか、ベビーカーはどうなるか。
非常時に「どこを通って、どこへ行くか」を一度思い浮かべてみるだけでも、必要な備えが変わってきます。
一方で、戸建ての場合は、停電時の夜の過ごし方が気になる家庭も多いかもしれません。
街灯の有無や、家の中でどこが一番暗くなるか。
懐中電灯やランタンを「何個持つか」より、「どこに置いておくか」を考えるほうが、実用的な場合もあります。
また、収納スペースの余裕も大切な視点です。
無理に一か所にまとめようとすると、日常では使いにくくなりがちです。
分散して置いたほうが、いざというときに手に取りやすいこともあります。
たとえば、マンションの高層階では、水の確保が少し気になるかもしれません。
断水時にどう動くか、どのくらいの量が現実的か。
逆に、戸建てでは水よりも、寒さや暑さへの備えを優先したほうが安心につながることもあります。
防災グッズは、家族構成だけでなく、今の住まいとセットで考えることで、無理のない備えになります。
正解は一つではありません。
今の家で、どんな場面が少し不安か。
その感覚を手がかりに考えること自体が、住まいに合った防災につながっていくと、私は感じています。
子どもの年齢で考え方は変わっていい
子どもはあっという間に成長します。
それに合わせて、防災グッズの考え方が変わるのは、とても自然なことだと感じています。
赤ちゃんの頃は、おむつやミルク、哺乳瓶など、生活のほとんどが「身の回りのケア」に関わるもので占められます。
少し足りなくなるだけでも不安が大きくなりやすいため、この時期は量を意識した備えが安心につながりやすいように思います。
一方で、子どもが少し大きくなると、必要なものの性質が変わってきます。
食べられるものが増えたり、自分の気持ちを言葉で伝えられるようになったりする反面、
環境の変化に対する不安や退屈を感じやすくなる場面も出てきます。
そんなときに役立ったのが、絵本や小さなおもちゃでした。
特別な防災用品でなくても、いつも読んでいる本や、手に馴染んだおもちゃがあるだけで、子どもの表情が少し落ち着くことがあります。
「前に用意したから、これで大丈夫」と思い込まず、
季節や年齢に合わせて、たまに見直す。
それくらいの距離感で向き合うほうが、防災は続けやすいと感じています。
防災は、一度決めたら終わりではありません。
暮らしが変われば、必要なものも自然と変わっていきます。
今の子どもにとって、何があれば少し安心できそうか。
その問いを持ち続けること自体が、子育て家庭にとっての大切な備えなのだと思います。
不安になりすぎたときは、考えすぎなくていい
防災について調べ始めると、気づかないうちに情報がどんどん増えていきます。
「これも必要」「あれも足りない」と見ているうちに、気持ちだけが追い立てられてしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、一度スマホを置いて、深呼吸してみてください。
そして、家の中を静かに見渡してみる。
すると、すでに揃っているものが意外と多いことに気づくことがあります。
飲み慣れた飲み物、常備している薬、家族分の着替え。
それらは特別な防災用品ではないかもしれませんが、いざというときに役立つ立派な備えです。
これまでの暮らしの中で、必要だと思って選んできたものだからこそ、安心感があります。
防災は、完璧を目指すほど苦しくなりがちです。
全部を把握し、すべてを揃えようとすると、どうしても「足りない部分」ばかりが目についてしまいます。
不安を感じるほど真剣に考えている時点で、あなたはすでに家族を守ろうと行動しています。
今すぐ何かを買い足さなくても大丈夫です。
今日は、今あるものを確認するだけ。
それだけでも、防災との向き合い方は少し穏やかになります。
考えすぎて疲れてしまったときは、「今日はここまででいい」と区切ってみてください。
防災は、気持ちに余裕があるときに、少しずつ続けていくものだと、私は感じています。
まとめ|防災グッズは「今の暮らし」を見直すきっかけ
子育て家庭が揃えたい防災グッズに、唯一の正解はありません。
立派なリュックや高価な非常食がなくても、日々の暮らしの中にあるものが、十分な備えになることもあります。
防災を考えると、「足りているか」「もっと必要ではないか」と、不安が先に立ってしまいがちです。
でも本来、防災は不安を増やすためのものではなく、今の暮らしを少し丁寧に見つめ直すためのきっかけなのだと思います。
一度立ち止まって、
・今の家族構成
・今の住まい
・今の生活リズム
この三つを、静かに思い浮かべてみてください。
子どもの年齢、住んでいる家の形、毎日の過ごし方。
それらは家庭ごとに違っていて当然で、だからこそ備えの形も違っていいはずです。
「これで大丈夫」と言い切れなくても構いません。
すぐに答えを出そうとしなくていい。
考え始めたその時間そのものが、すでに家族を大切にしている行動だと、私は思います。
今日は確認するだけ、明日は少し見直すだけ。
そんな小さな積み重ねが、無理のない防災につながっていきます。
あなたの家庭にとって、少し気持ちが落ち着く防災の形が、
ゆっくりと、自然に見えてきますように。